コラム

うつ病との向き合い方|症状や診断、回復、休職から復職への準備について(公認心理師が解説)

カウンセリング  / 精神疾患・精神障害
  • 「うつ病かもしれない」

  • 「うつ病診断を受けて通院しているけれど、この先どう立て直せばよいかわからない」

  • 「休職中で、復職や社会復帰が怖い」

そのような不安を抱える方は少なくありません。

うつ病という言葉は広く知られていますが、実際には、症状の表れ方も、回復の進み方も、休職から復職までの道のりも、人によってかなり異なります。うつ病とは何かについて知るだけでなく、通院治療を軸に、症状の改善、休職からの復職・社会復帰のための準備をどのように進めていくかが大切です。
すでに公開している「通院治療とカウンセリングの併用」についての記事では、診察とカウンセリングの役割の違いや、併用が役立つ場面を解説しました。

本記事ではそこから一歩進めて、うつ病の影響のために課題になっている、日常生活の立て直しや復職について焦点を当てます。

【この記事でわかること】

・うつ病とは?
・うつ病の症状と特徴
・うつ病診断とうつ病チェックの違い
・うつ病で休職する際の留意点
・復職不安は自然な感情
・通院治療とカウンセリングの併用のお勧め
・復職に向けた準備で大切な5つのこと


うつ病とは?
気分の落ち込みだけではなく、生活全体に影響する病気です

落ち込んでいる男性

うつ病とは、単に気分が沈む状態だけを指すのではありません。意欲が出にくい、集中力が続かない、朝が特につらい、眠れないまたは寝すぎる、食欲が落ちる、体が重い、自分を責める気持ちが強くなるなど、心・体・行動のそれぞれに影響が広がる病気です。

そのため、うつ病の特徴は「落ち込んでいるように見える」「悲しそうに見える」だけでは判断できず、何とか仕事には行けているものの帰宅後は動けない、休日はベッドに倒れ込んでいる、以前は楽しめていた人付き合いがしんどい、些細なことで涙が出る、といった形で表れることもあります。ご本人も周囲も、最初は疲れや性格の問題などと受け止めてしまい、受診や休養のタイミングが遅れやすい点には注意が必要です。

うつ病の症状と特徴

うつ病の症状としてよく知られているのは、抑うつ気分、興味や喜びの低下、疲れやすさ、思考力や集中力の低下、睡眠の乱れ、食欲の低下や過食、将来への悲観、自責や自己否定、消えてしまいたいような気持ちなどです。併せて、頭痛や肩こり、胃腸の不調、朝起きられない、動悸やめまいなどの身体症状が出ることも少なくありません。

インターネット上には「うつ病の可能性を簡易チェックできるツール」が多くあります。こうしたセルフチェックは、あくまでも自分の状態に気づくきっかけとして目安程度に参考にしてみてください。

うつ病の診断は、あくまでも国際的な基準に基づいて、医師のみが行うものです。症状だけでなく、どのくらいの期間続いているのか、仕事や日常生活への影響はどの程度か、別の疾患や薬の影響・可能性はないかなどを総合的に判断します。

 

うつ病で休職するときにまず大切なのは「十分な休養」と「生活の立て直し」

机の上で休む女性

うつ病で休職に入った直後は、「なぜこうなったのか」と原因分析を急ぐよりも、まずは心身を充分に休めることが最優先です。睡眠に障害を来している、食事が摂れない、朝起きられない、希死念慮があるなどの状態では、安全の確保と症状の安定がなによりも重要です。このような急性期では、通院治療が主軸となります。

そして、十分な休養を取って、少しずつ回復してきた段階で、生活の立て直しについて慎重に検討します。昼夜逆転が続いていないか、活動量が極端に少ないまま固定していないか、焦りから無理に動きすぎていないか、などについて冷静に客観的に振り返り、無理をせず徐々に整えていく必要があります。生活の基盤(生活リズム)を整えることは、復職や社会復帰の準備につながります。

「復職が怖い」のは自然な感情です

うつ病で休職している方の中には、主治医から「復職を検討してもよい」と言われても、ご本人としては「まだ怖い」「同じ職場に戻ることを想像するだけで苦しい」と感じる方が多くいます。

主治医の判断は、症状がある程度安定し、職場復帰に向けた準備が始められるできる状態かどうかという医学的な観点に基づきます。一方、ご本人の不安は、職場の人間関係、これまでの働き方、無理のされ方、仕事量、仕事の質、通勤負担、同僚を含む対人関係、家庭生活や私生活との両立など、現実的かつ具体的な、ありとあらゆる生活場面から生じます。そのため、医学的な症状の安定と「本人が安心して働ける感覚」とは、必ずしも足並みが揃うものではありません。

そのため、復職が怖いと感じるときは、自分を責めるのではなく、何が怖いのかを整理していくことが大切です。同じ部署に戻ること自体が負担なのか、以前と同じ働き方を繰り返してしまいそうで不安なのか、対人関係に強いストレスを感じるのか、通勤や朝の支度などに自信がないのか、個別具体的に紐解いて対策を検討していくことがお勧めです。

 

通院治療とカウンセリングを併用すると、
うつ病の改善・復職・社会復帰の準備を進めやすくなります

通院治療と併用しながらカウンセリングを利用することで、うつ病の症状の改善、休職からの復職、社会復帰のための準備を進めていくことができます。

ここで大切なのは、本記事の主題が「診察とカウンセリングの違い」そのものではないという点です。その一般論は1本目の記事で詳しく扱っています。本記事で焦点を当てたいのは、うつ病で休職や社会生活の立て直しが課題になっている方にとって、カウンセリングがどのように役立ちやすいかです。

たとえばカウンセリングでは、「どの時期から無理が積み重なっていたか」「職場や家庭で何が大きな負荷になっていたか」「回復してきても心が揺らぎやすい場面はどこか」「復職後に再び崩れやすいパターンは何か」といった点を整理します。うつ病の背景には、責任を抱え込みやすい、断れない、自分に厳しすぎる、周囲の期待を優先しすぎるなど、その人なりの生き延び方が関係していることがあります。こうしたパターンを見立てることは、再発予防と社会復帰準備の両方に役立ちます。

 

休職からの復職・社会復帰の準備で大切な5つのこと

生活リズムがある程度安定しているか、または乱れても修正できるかどうかは、復職後の支えになります。
就寝・起床、食事、運動、趣味や余暇、交友関係等の充実も大切です
集中力の回復度合いと疲労感。
短時間の読書や家事、外出などにどのくらい取り組めるか、どのくらい疲労を感じ、回復にどの程度の時間を要するかなどを見極めることは、仕事の負荷を想定した見立てに役立ちます。
つらさやしんどさの要因や背景を洞察する。
仕事量だけでなく、人間関係、役割期待、家庭との両立、完璧主義など、複数の要因が重なっていることがほとんどです
復職後に、心身の体調を悪化させてしまうリスク要因は何か。
その要因や予兆に、早めに気づき予防的に対処することが重要です
どのような働き方なら無理が少ないか。
時短勤務、業務量の調整、配置転換、相談相手の確保など、現実的かつ具体的な調整が大切になります

 

こころケアのオンラインカウンセリング

こころケアのオンラインカウンセリングでは、主治医の治療方針を尊重しながら、うつ病の症状の改善、休職からの復職、社会復帰のための準備について、一緒にご相談を重ねながら少しずつ進めていきます。

初回相談では、主治医の治療方針、症状の経過や休職に至った経緯、生活リズム、復職に関する不安、家庭や職場での負荷などについて、総合的かつ専門的に整理していきます。

2回目以降のご相談では、再発しやすいパターンと対処法、復職後の働き方、人との距離の取り方、復職後に必要な調整などについて、ご相談を重ねていきます。

「うつ病診断を受けて通院しているけれど、この先をどう立て直せばよいかわからない」「休職からの復職が怖い」「社会復帰の準備を一人で進めるのが難しい」と感じている方は、事前に主治医の同意を得た上で、カウンセリングのご利用をご検討ください。

 

カウンセリングは「話を聞いてもらうだけの場」ではありません

様々なカウンセラーがおり(関連した民間資格や、資格がなくともカウンセラーと名乗ることができてしまいます)、傾聴(話を聴いてもらう)だけで終わってしまったという経験をお持ちの方が少なくないことも事実です。私も、ご相談者から「前のカウンセラーは本当に話を聴くだけで、何も話さなかった」と伺うことがあります。

しかし、本来のカウンセリングは、安心して話せること自体が大切な場である一方で、それだけで終わるものではありません。対話を通して、ご相談の機会を重ねながら、ご相談者の状況を理解し、背景を洞察し、少しずつ現実の生活における改善につなげていく場です。

カウンセラーからも積極的にご質問したり、状況を整理したり、深掘りし洞察したり、仮説を立てたり、専門的な情報提供をしたり、アドバイスをしたり、行動目標を立てたりしながら、直面されている課題の克服のために丁寧に伴走支援させていただくものです。

こころケアのカウンセラーは、心理職唯一の国家資格である公認心理師資格を取得しており、医療連携経験も豊富な専門家ですので、安心してご利用いただければ幸いです。

何が苦しさを長引かせているのか、どのような場面で心が揺らぎやすいのか、何がお悩みの状況を克服・改善していく糸口になり得るのかなどについて、ご相談を通じて一緒に考えさせていただきます。

通院治療と同様に、カウンセリングも継続が前提となります。厚生労働省の認知行動療法に関するマニュアルなどでも、定期的に十数回ほど続けていくことが推奨されています。

こころケアでは、最初は週に1回または2週に1回のペースで、そして、回数を重ねていきながら徐々に間隔を広げ、月に1回ほどのペースで継続されていくことをお勧めしています。主治医の治療方針をベースに、ご相談回数を重ねながら、『今のお困りごとの整理』『再発予防』『復職準備』『対人関係の見直し』などをじっくりと進め、通院治療の効果を促進していきます。

 

まとめ

うつ病とは、気分の落ち込みだけでなく、睡眠、食欲、意欲、集中力、体調、日中活動のあらゆる場面に影響が現れる病気です。また、うつ病の症状には個人差があります。うつ病の診断は、医師のみが、国際的な診断基準に基づいて、症状だけでなく、私生活や社会生活への影響も踏まえて行います。

そして、うつ病の回復のためには、主治医の通院治療を中心に、必要に応じてカウンセリングを併用することで治療効果の促進が期待されます。

診察時間は、制約のある限られた時間内で行われますので、ぜひカウンセリングにおいて、ご自身のための時間を確保いただければと思います。ご家族やご友人、大切な方々のためにも、お一人で無理して抱え込まれずに、ぜひご相談いただければ幸いです。

 

こころケアのカウンセリング

オンラインカウンセリング・&アンケートへの回答

初回の体験カウンセリングでは、初めから、繊細かつ負担の大きい話を無理にしていただく必要はありません。まずはじっくりとお話を伺いながら、関連性のある事柄についてのカウンセラーからの質問も交えて、現在のお悩みの状況を総合的に把握することに努めます。

また、これまでに取り組んでこられたことや成功体験、ご相談者様ご自身の個性や強み、長所、魅力などについてもお伺いします。

その上で、現在直面されておられる課題の背景や根本原因についての仮説を立て、解決・改善・克服のための方策を一緒に検討していきます。

※書籍やインターネット上にも、様々な解決策という名の情報があふれていますが、それらはあくまでも不特定多数に向けられた、一般的な対症療法に止まってしまうという限界性があります。根本的な解決のためには、一対一のカウンセリングを通して深掘りし専門的に洞察した上で、個別最適化された根治療法としての方策を検討していくことが重要になります。

カウンセリングは、継続されることで効果が高められます。一問一答や、占いとは異なり、ご相談者様自身が主役となり、主体的に考え取り組まれて行く過程にカウンセラーが伴走し、支え、目標達成を後押ししていくものです。

こころケアのオンラインカウンセリングは、Zoomカメラオフ(顔出し無し・音声のみ)でも参加できます。『顔を出すのはまだハードルが高い』『上手く話せるか不安』という方でも、今の状態に合わせて無理をせず少しずつ進めていくことができます。

 

Q&A(よくある質問)

はてなマーク。よくある質問

Q1.うつ病で通院中でも、カウンセリングを受けてよいのでしょうか。
A.はい。ただし、急性期などにおいては、逆に悪化したり、効果が期待できない場合もあります。そのため、必ず事前に主治医の同意を得てください。
Q2.休職からの復職が不安です。どのようなことを相談できますか。
A.多岐に亘るご相談が可能です。休職に至った経緯、その背景にある根本原因、克服の仕方、生活リズムの整え方、再発予防のための対処法、私生活の充実などについて、一緒に対話を通して専門的に考えさせていただきます。
Q3.社会復帰の準備は、症状が落ち着いてから考えればよいのでしょうか。
A.焦りは禁物です。まずは、充分な休養や薬物療法などが優先されますので、社会復帰の準備のタイミングについては、主治医とよくご相談ください。適切なタイミングを見極めた上で、準備を進めていくことが、無理のない持続可能な再発予防につながります。

 

初回体験カウンセリングのお申込み(ご予約)へ

スマホを操作する男性

  • 「通院はしているけれど、診察だけでは整理しきれない」

  • 「うつ病の症状は少し落ち着いてきたものの、復職や社会復帰が怖い」

  • 「また同じ苦しさをくり返さないための準備を進めたい

そのようなケースでは、カウンセリングのご利用がお勧めです。

初回相談では、現在の状況やお困りごと等を丁寧に整理し、その後の進め方を一緒に検討していきます。

うつ病の症状の改善、休職からの復職、社会復帰のための準備などについて、通院治療と併用して効果的に進めたい方は、初回体験カウンセリングをご予約ください。

 

 

記事監修

公認心理師 櫻井 良平

監修者写真兼カウンセラー写真

国家資格
  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • キャリアコンサルタント
  • 社会福祉士
  • 保育士
所属学会等
  • 日本公認心理師協会
  • 本公認心理師学会
  • 日本認知療法・認知行動療法学会
  • 日本発達障害支援システム学会
    (第17回研究セミナー・研究大会において学会賞受賞)
略 歴
  • 医療機関や民間のセンター等での対面・電話・オンラインカウンセリング経験が豊富
  • 認知行動療法にかかる厚生労働省・国立研究機関主催研修を修了
  • 第一線の専門家に師事し、精神分析療法、解決志向短期療法、愛着理論、応用行動分析学等を研究
  • 教育・心理・社会保障・保健医療分野における国内外の国際協力プロジェクトへの従事経験を持つ
    (開発途上国における「育児・子育て手法」「発達アセスメント・支援ツール」「知能検査」の開発・普及プロジェクト等)