心療内科・精神科に通院中でもカウンセリングは受けられる?併用による治療効果の促進について(公認心理師が解説)
-
「薬は飲んでいるけれど、気持ちの整理が追いつかない」
-
「診察で伝えたいことがあるのに、時間が足りず、うまく話しきれない」
-
「症状は少し落ち着いてきたのに、また同じ苦しさをくり返しそうで不安」
そのように感じる方は少なくありません。
心療内科や精神科に通院していると、「通院しながらカウンセリングを受けてもよいのだろうか」「主治医に失礼ではないだろうか」「薬を飲んでいるのに、さらにカウンセリングを受ける意味はあるのだろうか」など、迷いが生じることがあります。
先にお伝えすると、心療内科・精神科に通院しながらカウンセリングを併用することは、通院治療効果を高めるためにもお勧めです。むしろ、多くの方が併用されています。
本コラムを読むことで、通院診療とカウンセリングの役割の違いを理解した上で併用することができるようになるでしょう。
診察では、症状の評価、診断、薬物療法、休職や診断書に関する判断などの、医師のみが行える医療行為を行います。
一方、カウンセリングでは、今のつらさの背景にある考え方や行動のパターン、人間関係の悪循環、復職や再発予防に向けた準備などを、対話を通して丁寧に整理していきます。
この記事では、公認心理師の立場から、通院中にカウンセリングを併用する意味、診察とカウンセリングの違い、どのようなときに併用が役立ちやすいのか、主治医との連携で大切なこと、継続相談の意義について解説します。
【この記事でわかること】
• 心療内科・精神科通院中のカウンセリング併用がお勧め
• 通院とカウンセリングを併用すると、治療効果が高まりやすい
• 診療(医療行為)とカウンセリング(非医療行為)の違い
• 通院治療とカウンセリングの併用が有効なケース
• 主治医との連携
• 課題克服のための取り組み方法
心療内科・精神科通院中のカウンセリング併用がお勧め

結論から言えば、心療内科や精神科に通院中でも、カウンセリングを併用すること自体は珍しいことではありません。医療機関の中でも、主治医の判断や、本人の希望と主治医の同意などによって、診察と並行してカウンセリングが行われることが多くあります。
実際に、通院中の方にカウンセリングが提案される背景としては、
「主治医が、併用が望ましいと判断した」「薬物療法に取り組んでいるが、相談したい悩みを抱えている」「自分の気持ちを整理したい」「復職や今後の生活に向けて、相談しながら準備したい」などが挙げられます。
そのため、「通院しながらカウンセリングを受けるのは自然なこと」です。カウンセラーは、主治医の治療方針を尊重しながら、カウンセリングを通して、ご相談者の回復を支えます。
通院とカウンセリングを併用すると、治療効果が高まりやすい
心療内科・精神科への通院にカウンセリングを併用すると、通院治療効果が高まる傾向があります。
診察では、現在の症状を安定させること、必要な薬物療法を行うこと、休養や就労の判断を行うことなどが中心になります。
一方、カウンセリングでは、「なぜつらさが長引いているのか」「どのような場面で心が揺らぎやすいのか」「仕事や家庭、人間関係の中でどのような悪循環が生じているのか」などを整理し、日々の考え方や向き合い方、対処方法などを見直していきます。
つまり、お薬で心身の体調を整えながら、カウンセリングで『日々の感じ方や行動のクセ』を丁寧に見直していくことによって、症状の安定だけでなく、再発予防や生活の改善・強化にもつながりやすくなります。
診療(医療行為)とカウンセリング(非医療行為)の違い
診療(医療行為)で扱うこと
- 症状の評価と診断
- 急性期の安全確保や治療方針の検討
- 薬物療法や副作用の確認
- 休職・復職
- 診断書などの医学的判断
カウンセリング(非医療行為)で扱うこと
- 今のつらさの背景にある考え方や受け止め方についての洞察(見立てを行う・仮説を立てる)
- 仕事、家庭、対人関係の中で起きている悪循環
- 復職や再発予防に向けた伴走支援
- 日常生活やセルフケア、コミュニケーションの見直し
診療は『症状を安定させるための医療的な支え』、
カウンセリングは『その症状とどう付き合い、生活や関係をどのように立て直していくかを一緒に考える支え』
と整理することができます。
そのため、併用することで相乗効果が期待でき、相互補完的な役割を果たすことができます。
例として、急性期には、症状の安定を最優先に診療(通院治療)に取り組み、症状が少し落ち着いてきてから、
カウンセリングを通じて、治療効果の促進や再発予防に取り組むこともできます。
※カウンセリングを受ける際には、主治医の事前の同意が必要ですので、予め先生にご確認ください。
通院治療とカウンセリングの併用が有効なケース
診察時間内では話しきれないと感じるとき
診察は限られた時間の中で、症状、薬物療法の効果や副作用、生活への影響などを確認する必要があります。そのため、「本当は職場の人間関係のことを話したかった」「親との関係がずっと引っかかっている」「夫婦関係のしんどさが強い」といった背景までは、十分に扱いきれないことがあります。カウンセリングは、そのような『診察では話しきれない部分』について丁寧に言葉にしていく場になりやすいです。
症状は少し落ち着いてきたけれど、根本的な改善が必要だという感覚があるとき
うつや不安の症状が少し軽くなっても、無理を抱え込みやすい働き方、人に合わせすぎる対人パターン、自分を責めやすい考え方などが残っていると、つらさが再燃しやすくなります。カウンセリングでは、そのような背景のパターンを見立て、再発を防ぐために取り組んでいきます。
復職や再休職予防を見据えたいとき
主治医から復職可と言われても、「本当に戻って大丈夫だろうか」「また同じ無理をしてしまうのではないか」と不安になることがあります。このようなときは、症状の有無だけでなく、生活リズム、負荷のかかり方、頑張り方のクセ、職場で心がすり減りやすい関係の構図などを整理することが大切です。
仕事や家庭、人間関係の問題が症状に強く影響しているとき
夫婦関係の緊張、親との距離の取りづらさ、職場のハラスメント、対人不安などについて、通院治療で寛解したものの、心配が残るとき。カウンセリングでは、「誰が悪いか」ではなく、「どのような構図が苦しさを長引かせているのか」を見立て、アプローチしていきます。
主治医との連携
通院中にカウンセリングを受けたいと思った場合は、主治医に伝えてみましょう。主治医の同意が得られたら、カウンセラーは、あくまでも主治医の治療方針を尊重しながら、進めていきます。
特に急性期や、状態が不安定な時期には、カウンセリングが負担にならないように留意しなければなりません。そのため、必ず事前に主治医に確認するようにしましょう。
通院中の方すべてにカウンセリングが必要とは限りません
一方で、通院中の方すべてに、直ちにカウンセリングが必要とは限りません。急性期で、まずは休養とお薬による治療が優先される時期もあります。
朝起きることも難しい、食事がほとんど取れない、希死念慮が強い、現実検討が不安定であるなど、安全確保を優先すべき状態では、主治医の治療を中心に、生活の安全や休息が必要となります。
そのため、まずは主治医にご相談いただくことが重要です。
カウンセリングは「話を聞いてもらうだけの場」ではありません
様々なカウンセラーがおり(関連した民間資格や、資格がなくともカウンセラーと名乗ることができてしまいます)、傾聴(話を聴いてもらう)だけで終わってしまったという経験をお持ちの方が少なくないことも事実です。私も、ご相談者から「前のカウンセラーは本当に話を聴くだけで、何も話さなかった」と伺うことがあります。
しかし、本来のカウンセリングは、安心して話せること自体が大切な場である一方で、それだけで終わるものではありません。対話を通して、ご相談の機会を重ねながら、ご相談者の状況を理解し、背景を洞察し、少しずつ現実の生活における改善につなげていく場です。
カウンセラーからも積極的にご質問したり、状況を整理したり、深掘りし洞察したり、仮説を立てたり、専門的な情報提供をしたり、アドバイスをしたり、行動目標を立てたりしながら、直面されている課題の克服のために丁寧に伴走支援させていただくものです。
こころケアのカウンセラーは、心理職唯一の国家資格である公認心理師資格を取得しており、医療連携経験も豊富な専門家ですので、安心してご利用いただければ幸いです。
何が苦しさを長引かせているのか、どのような場面で心が揺らぎやすいのか、何がお悩みの状況を克服・改善していく糸口になり得るのかなどについて、ご相談を通じて一緒に考えさせていただきます。
通院治療と同様に、カウンセリングも継続が前提となります。厚生労働省の認知行動療法に関するマニュアルなどでも、定期的に十数回ほど続けていくことが推奨されています。
こころケアでは、最初は週に1回または2週に1回のペースで、そして、回数を重ねていきながら徐々に間隔を広げ、月に1回ほどのペースで継続されていくことをお勧めしています。主治医の治療方針をベースに、ご相談回数を重ねながら、『今のお困りごとの整理』『再発予防』『復職準備』『対人関係の見直し』などをじっくりと進め、通院治療の効果を促進していきます。
オンラインカウンセリングの特徴
通院中の方にとって、オンラインカウンセリングには利用しやすい面があります。自宅など安心できる場所から相談しやすいこと、外出の負担が少ないこと、時間的な負担が軽減されること、対人緊張が強い方でも取り組みやすいことなどは、利点に挙げられます。
また、こころケアでは、Zoomを活用し、カメラのオン・オフ(顔出しなし、音声のみ)が自由に選択できること、ニックネームでもご相談できることで、ご相談いただきやすい環境を整えています。「ビデオ通話で顔を出したり、本名を名乗ったりすることはハードルが高い」という方にとっても、始めやすくなっています。
ただし、オンラインカウンセリングでは緊急対応を行うことはできません。緊急・切迫性の高い状況では、厚生労働省の運営する働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」の『相談窓口案内』(https://kokoro.mhlw.go.jp/agency/)をご参照ください。
課題克服のための取り組み方法
課題克服のためのアプローチ方法は、千差万別です。
書籍やウェブサイト、さらにはAIとの相談によっても、現在は非常に多くの有益な情報を得ることができます。ただ、ご相談者お一人おひとりが直面されている状況や課題、さらにはその背景事情について、総合的・網羅的に把握した上で、最適なアプローチ方法を検討することができるのは、やはり継続的なカウンセリングにおける対話を通じてこそだと思っています。
対話を通して教えてくださるお話しに同じ心を持つ一人の人間として共感したり、心を揺り動かされたり、紡がれるお言葉の背景を洞察したり、質問を通して深掘りしたり、言語化されない部分を想像し仮説を立てたり、そのために様々な理論に立脚して総合的に考えたりできるのは、やはり人であり、それを専門的に成し得るのは、国家資格である公認心理師資格を持つカウンセラーだからこそだと考えています。
さらに、カウンセリングを通じてお話しをされること、さらには、人と人との交流を通して、課題に一緒に取り組んでいくプロセスにこそ、回復を後押しする力が宿っています。
まとめ
心療内科・精神科に通院中の方が、事前に主治医の同意を得て、通院治療とカウンセリングを併用することは、治療効果を高めるための有効な手段になります。
主治医による診察では、症状の評価、診断、薬物療法、休職・復職判断など医療的な支えを行い、カウンセリングでは、主治医の治療方針に基づき、悩みやつらさの背景にある考え方や行動のパターン、人間関係の悪循環の構造、再発予防や復職準備などについて、丁寧に整理し支えていきます。
特に、診察時間内では話しきれない悩みがあるとき、症状は落ち着いてきたが根本的な改善が必要だと感じるとき、復職や再休職予防を見据えたいときなどの併用がお勧めです。
ただし、急性期や安全の確保などが優先される状況では、まず主治医に判断を仰ぐことが優先されます。
こころケアのカウンセリング

初回の体験カウンセリングでは、初めから、繊細かつ負担の大きい話を無理にしていただく必要はありません。まずはじっくりとお話を伺いながら、関連性のある事柄についてのカウンセラーからの質問も交えて、現在のお悩みの状況を総合的に把握することに努めます。
また、これまでに取り組んでこられたことや成功体験、ご相談者様ご自身の個性や強み、長所、魅力などについてもお伺いします。
その上で、現在直面されておられる課題の背景や根本原因についての仮説を立て、解決・改善・克服のための方策を一緒に検討していきます。
※書籍やインターネット上にも、様々な解決策という名の情報があふれていますが、それらはあくまでも不特定多数に向けられた、一般的な対症療法に止まってしまうという限界性があります。根本的な解決のためには、一対一のカウンセリングを通して深掘りし専門的に洞察した上で、個別最適化された根治療法としての方策を検討していくことが重要になります。
カウンセリングは、継続されることで効果が高められます。一問一答や、占いとは異なり、ご相談者様自身が主役となり、主体的に考え取り組まれて行く過程にカウンセラーが伴走し、支え、目標達成を後押ししていくものです。
こころケアのオンラインカウンセリングは、Zoomカメラオフ(顔出し無し・音声のみ)でも参加できます。『顔を出すのはまだハードルが高い』『上手く話せるか不安』という方でも、今の状態に合わせて無理をせず少しずつ進めていくことができます。
Q&A(よくある質問)

Q1.心療内科や精神科に通院中でも、カウンセリングを受けてよいのでしょうか。
A.はい。通院中にカウンセリングを併せて受けることはお勧めで、多くの方が利用されています。こころケアでは、実際に精神科主治医の先生からのご紹介でご相談を受ける方が増えています。カウンセリングでは、主治医の治療方針に基づいて、ご相談者お一人おひとりのご状況に合ったアプローチ方法を一緒にご相談させていただきます。
Q2.薬を飲んでいるのに、カウンセリングを受ける意味はありますか。
A.あります。お薬は症状の緩和・軽減を支えます。特に最近のお薬は、副作用も少なく、効果的なものが研究開発の成果により増えてきています。そして、こころケアのカウンセリングでは、薬物療法をはじめとした通院治療を補完する形で、根治療法的にアプローチしていきます。ご相談者との対話を通して、最適な取り組み方をご相談させていただきます。
Q3.主治医には伝えたほうがよいのでしょうか。
A.はい。必ず、事前に主治医にカウンセリングを受けることについての同意を得てください。その際に、主治医の方から留意点やカウンセラーへの伝達事項などがあった場合には、カウンセリングにてぜひお教えください。
Q4.どのようなときに、通院とカウンセリングの併用が有効になりますか。
A.診察だけでは話しきれない悩みがあるとき、症状は落ち着いてきたのに再発が不安なとき、復職準備を進めたいとき、仕事や家庭の問題が症状に強く影響しているとき、慢性的なストレス要因などを抱えているときなどに役立ちやすいです。
Q5.オンラインでも相談できますか。
A.はい。こころケアのカウンセリングは、オンラインカウンセリングです。自宅などのプライバシーが守られ、安心して相談しやすい環境でご相談いただけます。外出による負担が無い点も利点です。こころケアでは、ニックネームでも相談可、さらに、Zoomのカメラオフの音声のみでご相談できる特徴があり、活用しやすくお勧めです。
Q6.今はかなりつらいのですが、それでもカウンセリングを始めたほうがよいですか。
A.急性期をはじめ、重篤な精神症状が表れているとき、さらには、思考を言語化し相談することが非常に困難な場合には、カウンセリングを利用しない方がよいでしょう。まずは主治医の治療を優先し、休養や薬物療法による心身の健康状態の安定・回復、症状の緩和を優先いただく必要があります。ぜひ、主治医にお尋ねし、判断を仰いでください。
初回体験カウンセリングのお申込み(ご予約)へ

-
「通院はしているけれど、診察だけでは整理しきれない」
-
「このままでは同じ苦しさをくり返しそう」
-
「復職や再発予防に向けて、もう少し丁寧に自分を見つめたい」
そのようなときは、カウンセリングで一緒に考えていくことができます。
初回の体験カウンセリングでは、初めから負担の大きい話を無理にしていただく必要はありません。
まずは、今困っていること、どのような場面で心が揺らぎやすいのか、仕事や家庭、人間関係の中で、何がお悩みやつらさにつながっているのか、どのような悪循環の構図があるのか、その背景には何があるのかなどについて、丁寧に対話を重ねながら、カウンセリングによる取り組み方法を一緒に考えさせていただきます。
こころケアのオンラインカウンセリングは、Zoomのカメラオフ(顔出しなし・音声のみ)でご利用可能です。通院中の方にも、主治医の治療方針に基づき、今のお悩みやつらさを整理し、背景要因を紐解き、課題を克服していく方法を考えていきます。
「何を相談したらよいのか分からない」「話すのが苦手」「そもそも人に相談する経験があまりない」という方でも大丈夫です。カウンセラーがお一人おひとりの状況や要望に合わせて、ときには積極的に質問したり、お話しをリードしたりしながら、進めさせていただきます。
記事監修
公認心理師 櫻井 良平

国家資格
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- キャリアコンサルタント
- 社会福祉士
- 保育士
所属学会等
- 日本公認心理師協会
- 日本公認心理師学会
- 日本認知療法・認知行動療法学会
- 日本発達障害支援システム学会
(第17回研究セミナー・研究大会において学会賞受賞)
略 歴
- 医療機関や民間のセンター等での対面・電話・オンラインカウンセリング経験が豊富
- 認知行動療法にかかる厚生労働省・国立研究機関主催研修を修了
- 第一線の専門家に師事し、精神分析療法、解決志向短期療法、愛着理論、応用行動分析学等を研究
- 教育・心理・社会保障・保健医療分野における国内外の国際協力プロジェクトへの従事経験を持つ
(開発途上国における「育児・子育て手法」「発達アセスメント・支援ツール」「知能検査」の開発・普及プロジェクト等)